投稿者「Mahiru」のアーカイブ

部屋の片づけは人生をかたちづくる。ー【書評】人生がときめく片づけの魔法(1)

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 昨年の私のベスト1。私がたぶん昨年最も影響を受け、実際に行動変容ができた本。
 私自身、ほとんどものごころついてから今までの30年以上、片づけができないことに悩んできた。特に働き始めてからは自分の収入でものが買えるようになったので、あふれかえる本やCD、服、グッズの類があちらこちらにランダムに散らばり、必要なものが普段は使わないものの中に埋もれて探すのに時間を費やすありさま。
 片づけ本も数知れず買った。片づけ界では有名な(笑)「ガラクタ捨てれば自分がみえる」「そうじ力」「捨てる!技術」など。
 しかし読んで一時的に片づけるようになっても、続かない。

 また、困ったことに、精神科の外来にも、「片づけられないが、自分はADHDではないか」という相談が舞い込むのである。今までは全員女性で、「片づけられない女たち」という本がことの発端である。
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Memento mori(4) – 死をおもうとき。

 10/5にApple 創業者Steve Jobsが亡くなった。56歳という年齢はいかにも早すぎる。文字通り、世界において誰も持たなかった想像力を持ち、また世界の中でその想像力を具現化していく力のある人だったと思う。

訃報を聞いたとき、ネットでよくあるデマかと思ってしまった。かなり進行した膵臓がんとは言われていたけど、これほどのセレブリティなら世界で最高の医療を受けているはずだし、不可能を可能にし続けるこの人なら死なないんじゃないかとどこかで思っていた。

でもJobsは亡くなった。AppleのCEOを降りてからわずか1ヶ月半、彼の想像力の中でまだ世界でなしえなかったことはいくつあったのだろう。

なんだか今年は、震災以来、急な訃報が続く気がするのは気のせいだろうか?
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映画「グッド・ハーブ」

シネマート新宿で、メキシコ映画「グッド・ハーブ La buenas hierbas」を観た。

監督:Maria Novaro
公式サイト:http://www.action-inc.co.jp/hierbas/

舞台はメキシコシティー。主人公は、幼い息子を育てるシングル・マザーのダリア。薬草学者の母、ララの助けを借りながら子育てをしているが、ララが認知症と診断されてしまう。古くから伝わる薬草学の書物を必死に紐解いて、自分を治療しようと焦るララ。ダリアは献身的にララを介護するが、ララの病状は進行していく。
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Memento mori (3)-2 わたしが患者だったころ〜おとな編

(前回よりつづき)

大学入学時には志望分野を「内科か小児科」と書いたのに、卒業して入ったのはなぜか精神科だった。
 卒後4年目までは大きな挫折はなく過ごし、指導医もスタッフにも恵まれて、傲慢なくらいだったと思う。卒後4年目で行ったのは、アルコール依存症を専門にする病院だった。

 そこでもとてもいい勉強をさせてもらったのだが、いかんせん駆け出しの若い女性医師にはちょっときつい仕事だったと今でも思う。自分ではそれほどストレスがたまっているつもりはなかったのだが、ぴたりとおさまっていた喘息が27歳のときに再発した。
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