日別アーカイブ: 2017年12月22日

現代の悪魔祓い

1ヶ月ほど前になるが、「悪魔祓い、聖なる儀式」のドキュメンタリー映画を観た。イタリアのシチリア・パレルモのとある教会。カタルド神父はエクソシストの資格を持つ神父であり、火曜日の悪魔祓いの日にはシチリア内外から希望する人が集まる。その様子を一切のナレーションや音楽もなく、淡々と記録した記録映画である。
実はその前に韓国のホラー映画、「哭声(コクソン)」を観て、これも悪魔祓いを巡る話、ひいては「誰を、何を、どうして、どのように信じるのか?」というテーマの話だった。この映画に出てくる韓国の悪魔祓いの儀式は、祈祷師が色とりどりの衣装を着て、屋外で火の周りで動物の死骸を吊し太鼓を打ち鳴らし叫び回る大変派手なものだった。対決する國村隼演じる祈祷シーンは、密室のろうそくの火の中で白装束で唸る、というものでそれも日本ではありがちな描写ながら國村の形相が抜群に恐ろしかったのだが、日韓の悪魔祓い儀式の姿勢の違いというか、こもった怨念の日本、アッパーなフェス系韓国という対比がおもしろかった。映画好きな韓国の友人に聞いたところ、韓国ではかなりこの映画は社会現象になったらしい。そして韓国でも悪魔祓いの需要は高くて、自分の友人は大学で悪魔祓いを教えているから紹介してあげようか?コクソンに出てきたやつだよ、と言われ、あれは本当にやっている儀式なのかととても驚いた。大変に興味を引かれたものの、火中にわざわざ飛び込むのは自分が憑かれそうな気がしたので遠慮した。
そんなこともあり悪魔祓いに関心を持ったのもあり、また去年パレルモに訪れてとても美しく親しみのある街で、それでこの映画も観ようと思っていたのだった。
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