今朝のワールドカップ女子サッカー。なでしこジャパンの劇的な優勝はすごかったですね!
ほんとうにおめでとうございます。
昨夜の暑さと湿度で今朝目が覚めて、時計を見たら5時でした。決勝もう終わったのかな?と思い、ツイッターをみると、アメリカに先制されたらしい感じのTL。でもまだ続いてそうだったので、起きてTVの前に座りました。
0−1でリードされていた後半残り20分弱。決勝戦、相手は21敗3引き分けの強豪アメリカ。普通なら精神的にも厳しい状況の中、日本代表の選手たちはきびきびと動いていて、パスもよくつながり、まだまだいけそうな空気が漂っていました。
後半35分で宮間さんの同点ゴール。双方とも疲れの見える中、延長戦に突入。
前半終了間際にアメリカに1点を入れられて、TVの前で思わず息を飲みました。それでも、普通なら漂う焦りや悲壮感が全く感じられず、日本代表女子たちは、落ち着きに満ちているよ
に見えました。何だか私も、後半も先制されて追いついたから、むしろ追いかけるほうが気合いが入りそう、と思ってしまうくらいでした。パスもゆっくり確実に回されていき、後半12分に、コーナーキックから澤さんが奇跡の同点ゴール。岩清水さんの退場時のフリーキックもなんとかしのいで、PK戦へ。
あの流れではその後のPKは精神的にはむしろ日本に有利だったのかもしれません。
でも最初のアメリカのボックス選手のPKを海堀さんが止めたとき、流れが確実に変わりました。
この試合で一番印象に残ったのが、この最初のPKを止めた海堀さんの動きで、左に飛びながら出した右足でボールをセーブする、というスーパーファインプレー。
二番目に印象に残ったのが、延長戦後半の澤さんのゴール。ゴールに背を向けた体勢からどこを蹴って入れたの?と思うようなシュートで、あれをどうやって蹴ったのか、ほんと知りたいです
こういうプレーって、偶然とか運がよかったこともあると思いますが、もし「これはもうだめだろう」と思ってしまったら出ないプレーだと思うんです。一瞬の体の反応の中に、無意識はあらわれるもの。海堀さんも「方向は外したけどまだ足がある」とは意識では思わなかったと思いますが、一瞬のうちにからだは「まだいける」と反応したのだろうと思います。
今日の試合、なでしこたちは自分とチームへの信頼に満ちていました。ビハインドになっても諦めず、むしろその状況下で自分たちの力がもっと出せるはず、という落ち着きに満ちていました。それは練習を続けてきたことに加えて、選手の誰かが試合後のインタビューで「コミュニケーションをずっと重ねてきたので」と言っていましたが、互いを信じられるまでコミュニケーションを続けてきた結果なのだろうと思いました。
たぶん、自分のことだけを考えていたら、こういう形での優勝は到底できないでしょう。信頼して思いきり預けるとき、信頼が力になっていきいきと仲間を走らせる。チームの仲間が必ず来てくれると信頼して、思い切りパスを出すとき、その信頼が見えない糸のようにボールのところに選手をたぐりよせるのかな、なんて思いました。
私も、私が関わる人たちや流れをもっと信頼しよう、と心に決めました。
余談ですが、コート一面に撒かれた金色の紙吹雪の中で青いユニフォームのなでしこジャパンの選手たちが喜ぶ映像が映し出される中、ツイッターで、流れてきたツイート。
「ナウシカの、『その者蒼き衣を纏いて金色の野に降りたつべし。失われし大地との絆を結び、ついに人々を清浄の地に導かん。』というのは、なでしこジャパンのことだったんだ!」
「風の谷のナウシカ」に出てくる、古い言い伝えです。
代表のひとり、鮫島選手は3月まで東京電力に所属し、福島第一原発で事務をやっていたそうです。3月の震災と事故後、チームが活動休止となり、6月にボストンのチームに移籍したとのこと。
ナウシカは核戦争後という設定ですが、今の状況に奇妙に符号している気がしました。封印から解くのが早過ぎた巨神兵は、原子力のようだし、アニメの中の巨神兵のように、放射性物質は今も溶けて流れ続けています。その日本から青きユニフォームをまとって金色のコートに降り立った、なでしこの姫さまたちは、愛と信頼は、落ち着きをもってすれば欲望と不信に必ず打ち勝つことができることを象徴的に示してくれているのかも、なんて思いました。「ナウシカ」と「なでしこ」、何か響きも似てるし、うん。
われら日本女子、なでしこたちのように、がんばっていきましょう!
金色の野に降り立つ姫さまたちのphoto ↓
http://www.yomiuri.co.jp/zoom/20110718-OYT9I00151.htm