Lyrics かがやく羽

失ったものは あまりにも大きすぎて
時の重さは重すぎて
疲れ果てて うずくまる

粉々になった夢 もう光を映さない
誰かの苦しみを 背負わされて
捨てられて ちらばってる

でもきみは よくやったよ
自分のいのちを 誰かのために 削って 削って

今その羽は光かがやく
もうただ 自分のために生きて
いいんだよ いいんだよ

誰が何をしたって きみは汚されやしない
きみは何も失わない

でも今はただ この木の下で
その羽を休めて
涙の重さで飛べなくなった
その羽が 乾くまで 乾くまで

Lyrics 呪いのうた

きみが今日も僕の横で
呪詛のことばを吐く

生きづらい
生きづらいから
早く災いがきますように

楽に死ねる薬を作るさ
身分証貸してよ
ドラッグストアの
あの人に見せるから

ぼくがなにものかを示し続けなきゃ
生きてなんかいたらいけないから

ほんとうはお前が死ねよ
その言葉をいつも飲み込んでる
ぼくの中で反転させて
自分に刺さる刃に研ぐよ

ぼくのいのちがとびちって
地上を濡らす雨になりますように

それできみのいのちが
少しでも長らえるよう

少しでも輝くように

Lyrics いのちのうなり

奥底に耳をすませば
地からのうなる音
わたしのなかの
飼いならせないなにか

春がうなる
星がほえる
そういう日々を知っていますか

わかりやすくなどいえない
ことばにならない
こころのゆさぶりを
ひとりふみしだく

あなたをころさないで
じぶんをつぶさないで
いのちのうねりは
あなただけのもの

死ぬことも生きることも
表と裏のようなもの
手を合わせれば
そこにひらく宇宙

無数のいのちのかけらが
あしもとでいまも生きる

Lyrics 見せかけ社会

ぼんやりした空想と
あいまいに浮かべる笑み
求められてるのはそんなもんです

よくわからない輪郭を
なぞっては消して
元の形は
思い出せない

たくさんの嘘を織りこんで
虚栄のショールを作る
でももてはやされるのは
着こなした彼女

色あせた思い出を
いつまでもふくらませ
それでやっていける
いつまでだって

口もとはぼんやり開けて
他者を否定しないこと
求められてるのはそんなものです

詩 きみと観る宇宙

季節外れの藤の花
一房だけ咲いている
他の枝の仲間はもう一か月も前に散ったのに
この花たちはどの時間を待っていたのか

時が満ちるには、ふさわしい経過が必要で
それぞれの存在に固有の時間があり

観る者それぞれの時間の流れがあると
物理学者も言っているだろう

きみが観る宇宙は、きみから弾けて膨張し
ますます加速していくだろう
ほんとうは時間などなくて
きみとぼくの宇宙の一端が接した時
窓が開いて
きみとぼくの共通の時間が生まれて
流れ込んで
そしてぼくらは出逢ったのだろう

それは偶然とも奇跡とも言えるし
必然とも運命とも言えるし
まあ、なんだっていいんだ

宇宙の辺縁で会いましょう
きみの辺縁はぼくの中心
なのだから

ぼくときみが観る宇宙は決して同じではないのだと
物理学者は言うけれど

でもいつかぼくらは同じ点から
宇宙を見上げて
そこにあるものとないものを語るでしょう

#poetry #詩

短歌 爽快

死にたいと呟くきみの細い顎辿って今日も空は快晴

あなたとは話すことなどもうなにもないなにもないことの爽快

お別れを言うほんとうのお分かれを祝して空に抜けた歯投げる

#短歌 #tanka

短歌 汎用性

汎用性のない生き物である君と今日もたゆたうソラリスの海

いつだってたくさんのことあきらめてきたからあきらめたくないさいご

永遠を永遠に知ることはない永遠はただ感じとるだけ

短歌 朝

昼が来てまた夜がきて朝になりわたしのこころも呼吸している

あさつゆのみずみずしさのきもちなるとうにわすれしものとおもへど

永遠に朝の来ずともわがいのち闇にひそかにうごめいている

短歌 ことばにならない

クレマチス言葉にならない思いならすべてこの世の果てへと投げて

鍵をかけ心の奥に閉じ込めた言葉と気持ちが錆びついている

きみの声がわれの氷を溶かすとき濁流のごと流れだすもの

短歌 春の宵

春の嵐止まぬ強風凶暴にわたしの中を吹き荒れている

さっきからあなたの細く白い指そのことばかり考えている

夕闇に仄白き花浮かびいできみの顎から光を放つ