俳句 花冷え

花冷えに咲き急ぐなよはなざくら

溜めてきた怒りを噛んで花の塵

何もかも落花のなかに棄ててゆく

 

短歌 Spring Fever

もののふに追いつめられる夢を観て飛び起きていま春の雨のなか

生ぬるい空気に向けてもやもやと蹴り出した足をまた引っ込める

差し迫る危機もさしたる意味もなくただ生きている春のただなか

冷笑がpandemicな世の中で熱を探して手探りしてる

 

短歌 刻印 your marks engraved on me

ひとつずつわたしに押した刻印の痕をなぞってあなたを感じる

残響を覚えておいて外耳道誰の声かがすぐわかるよう

唇と皮膚の境に残された余韻の中で夢をみている

 

短歌 Our Atomic Scarlet Fever

われらの炉くすぶりつづくおそらくはわれらの欲が熱になるまで

放射線とか倍音とか愛とかの各種の力が今日も飛び交う

火をつけるプロメテウスが今日もまた罰されるなら愛ゆえであれ

 

短歌 Radioactive part of us

いつからか怖れの単位シーベルトベクレル元は誰かの名前

実体のみえない不安が実体に向けられ今日の水の冷たき

アトムへのあこがれどこかに残ってるそんな時代は去ったと知りつつ

短歌 スイーツ・退屈 Sweet Boredom

ことのはの束を片手にほんとうに言うべきことを見失ってる

退屈を右手に怒りを左手に歩んだ道を振り返りみる

自分というものに飽きたら次はどう動けばいいかとクレープ食べる

短歌 春に魔法 Ms. Magical Spring

何もかもなかったような眠たさで記憶途切れてけさ春霞

「解く」ものか「かける」ものかと聞かれれば「解く」がおそらく正しい魔法

着々と何かが準備されていく布石を1つ
いま打つたびに