なつのあしおと

夏の足音が聞こえてきて
左の足首を掴む
羽虫の羽音とともに
しのび寄る夏のわな。

吐き出さなければいられない言葉が
カエルや虫の声と化し、響きわたる森。

夏は暑く、熱く、厚く、あつくるしい。
しかしすべては幻出するだけの、なにか。