短歌」カテゴリーアーカイブ

短歌 智慧であるところのもの

黄昏に とびかうフェイク/陰謀論 ばかばかし夜を ひとりかも寝む

梟は飛びたち闇夜に残されし からすの目のみ わずかに光る

印相を 結びべど仏の 智慧もなく 薄暮のなかに 立ち尽くしをり

短歌 STAY HOME

けものより来たりしやまい流行れどもわれ関せずと花の咲くなり

宿主から追い立てられしウイルスにSTAY HOMEと叫ぶむなしさ

コロナとは太陽の冠かがやける春の唸りを横目に過ぎる

短歌 爽快

あなたとは話すことなどもうなにもないなにもないことの爽快

お別れを言うほんとうのお分かれを祝して空に抜けた歯投げる

#短歌 #tanka

短歌 朝

昼が来てまた夜がきて朝になりわたしのこころも呼吸している

あさつゆのみずみずしさのきもちなるとうにわすれしものとおもへど

永遠に朝の来ずともわがいのち闇にひそかにうごめいている

短歌 ことばにならない

クレマチス言葉にならない思いならすべてこの世の果てへと投げて

鍵をかけ心の奥に閉じ込めた言葉と気持ちが錆びついている

きみの声がわれの氷を溶かすとき濁流のごと流れだすもの

短歌 春のありよう

青く固い割りたての竹で書いたよな 愛のことばを手にして眠る

花曇り混ざりつづける色十色 終わらぬ午睡 終わりなき夢

なにもかも曖昧なままひっくるめ愛していたい春のありよう

短歌 Reality of the real reality

自らが投げたものこそ戻り来る気づいてもなお投げ続けてる

結局のところおそろしいほどの罠罠罠と少しの真理

代用の代わりの代用われわれはリアルをどこにおいてきたのか

 

短歌 Spring Fever

もののふに追いつめられる夢を観て飛び起きていま春の雨のなか

生ぬるい空気に向けてもやもやと蹴り出した足をまた引っ込める

差し迫る危機もさしたる意味もなくただ生きている春のただなか

冷笑がpandemicな世の中で熱を探して手探りしてる

 

短歌 Our Atomic Scarlet Fever

われらの炉くすぶりつづくおそらくはわれらの欲が熱になるまで

放射線とか倍音とか愛とかの各種の力が今日も飛び交う

火をつけるプロメテウスが今日もまた罰されるなら愛ゆえであれ