投稿者「Yoru」のアーカイブ

詩 きみと観る宇宙

季節外れの藤の花

一房だけ咲いている

他の枝の仲間はもう一か月も前に散ったのに

この花たちはどの時間を待っていたのか

時が満ちるには、ふさわしい経過が必要で

それぞれの存在に固有の時間があり

観る者それぞれの時間の流れがあると

物理学者も言っているだろう

きみが観る宇宙は、きみから弾けて膨張し

ますます加速していくだろう

ほんとうは時間などなくて

きみとぼくの宇宙の一端が接した時

窓が開いて

きみとぼくの共通の時間が生まれて

流れ込んで

そしてぼくらは出逢ったのだろう

それは偶然とも奇跡とも言えるし

必然とも運命とも言えるし

まあ、なんだっていいんだ

宇宙の辺縁で会いましょう

きみの辺縁はぼくの中心

なのだから

ぼくときみが観る宇宙は決して同じではないのだと

物理学者は言うけれど

でもいつかぼくらは同じ点から

宇宙を見上げて

そこにあるものとないものを語るでしょう

#poetry #詩

短歌 爽快

死にたいと呟くきみの細い顎辿って今日も空は快晴

あなたとは話すことなどもうなにもないなにもないことの爽快

お別れを言うほんとうのお分かれを祝して空に抜けた歯投げる

#短歌 #tanka

短歌 汎用性

汎用性のない生き物である君と今日もたゆたうソラリスの海

いつだってたくさんのことあきらめてきたからあきらめたくないさいご

永遠を永遠に知ることはない永遠はただ感じとるだけ

短歌 朝

昼が来てまた夜がきて朝になりわたしのこころも呼吸している

あさつゆのみずみずしさのきもちなるとうにわすれしものとおもへど

永遠に朝の来ずともわがいのち闇にひそかにうごめいている

短歌 ことばにならない

クレマチス言葉にならない思いならすべてこの世の果てへと投げて

鍵をかけ心の奥に閉じ込めた言葉と気持ちが錆びついている

きみの声がわれの氷を溶かすとき濁流のごと流れだすもの

短歌 春の宵

春の嵐止まぬ強風凶暴にわたしの中を吹き荒れている

さっきからあなたの細く白い指そのことばかり考えている

夕闇に仄白き花浮かびいできみの顎から光を放つ

短歌 春のありよう

青く固い割りたての竹で書いたよな 愛のことばを手にして眠る

花曇り混ざりつづける色十色 終わらぬ午睡 終わりなき夢

なにもかも曖昧なままひっくるめ愛していたい春のありよう

—–

久々に短歌を詠んだのは、心が動くことがあったから。こういう感情って使わないと錆びてしまう。また動かしていきたいなと思います。

短歌 Reality of the real reality

自らが投げたものこそ戻り来る気づいてもなお投げ続けてる

結局のところおそろしいほどの罠罠罠と少しの真理

代用の代わりの代用われわれはリアルをどこにおいてきたのか