投稿者「Yoru」のアーカイブ

短歌 朝

昼が来てまた夜がきて朝になりわたしのこころも呼吸している

あさつゆのみずみずしさのきもちなるとうにわすれしものとおもへど

永遠に朝の来ずともわがいのち闇にひそかにうごめいている

短歌 ことばにならない

クレマチス言葉にならない思いならすべてこの世の果てへと投げて

鍵をかけ心の奥に閉じ込めた言葉と気持ちが錆びついている

きみの声がわれの氷を溶かすとき濁流のごと流れだすもの

短歌 春の宵

春の嵐止まぬ強風凶暴にわたしの中を吹き荒れている

さっきからあなたの細く白い指そのことばかり考えている

夕闇に仄白き花浮かびいできみの顎から光を放つ

短歌 春のありよう

青く固い割りたての竹で書いたよな 愛のことばを手にして眠る

花曇り混ざりつづける色十色 終わらぬ午睡 終わりなき夢

なにもかも曖昧なままひっくるめ愛していたい春のありよう

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久々に短歌を詠んだのは、心が動くことがあったから。こういう感情って使わないと錆びてしまう。また動かしていきたいなと思います。

短歌 Reality of the real reality

自らが投げたものこそ戻り来る気づいてもなお投げ続けてる

結局のところおそろしいほどの罠罠罠と少しの真理

代用の代わりの代用われわれはリアルをどこにおいてきたのか

 

俳句 花冷え

花冷えに咲き急ぐなよはなざくら

溜めてきた怒りを噛んで花の塵

何もかも落花のなかに棄ててゆく

 

短歌 Spring Fever

もののふに追いつめられる夢を観て飛び起きていま春の雨のなか

生ぬるい空気に向けてもやもやと蹴り出した足をまた引っ込める

差し迫る危機もさしたる意味もなくただ生きている春のただなか

冷笑がpandemicな世の中で熱を探して手探りしてる

 

短歌 刻印 your marks engraved on me

ひとつずつわたしに押した刻印の痕をなぞってあなたを感じる

残響を覚えておいて外耳道誰の声かがすぐわかるよう

唇と皮膚の境に残された余韻の中で夢をみている