坐りをる吾(あ)の丹田に満ちくらむ 分子レベルの闇しづかなる
核内のmRNA起動せよ 吾の不甲斐無さ喝破するため
坐りをる吾(あ)の丹田に満ちくらむ 分子レベルの闇しづかなる
核内のmRNA起動せよ 吾の不甲斐無さ喝破するため
官能をうたう映画の初回朝 初老男女の独りが集う
君に告ぐ物狂おしさ腹ばいのまま訝(いぶか)りし君恨めしき
むかひあひ美しくなれりと君のいふ その日に紅(あか)きつぼみひらきぬ
蒸す朝に蕾ひらかず腐りおち ただじりじりと身悶えている
くるおしくいまひらく花白のなか 紅が混じって春に病んでる
一匹の飼い馴らせない雌の棲む 我が身のうちに爪立てるなり
子らよ見よ庭の片隅身のうちの 歓び恥じず咲かすなり合歓(ねむ)
吾(あ)もかつて獣なりにし如何やふな 夕暮れ見しか遺伝子にきく
どうみてもありえないのに道端で つまづくように愛してしまった