昼下がり砂漠のように乾ききりひたすら歩く何も望まず
容赦なく澄みきる青き真昼にて叶わぬ望み見透かされおり
望みとは叶えるためにあらずなり心を燃やす薪としてあり
昼下がり砂漠のように乾ききりひたすら歩く何も望まず
容赦なく澄みきる青き真昼にて叶わぬ望み見透かされおり
望みとは叶えるためにあらずなり心を燃やす薪としてあり
街中に冬の光が映写するパンタグラフの影と伴走
はつはるの3日手前の車内にて乾いた空気を風が切る音
脱がされるように冬から春になりこぼれる光に目を閉じている
さかしまに夜を眺めて紡ぎ出す鈍色(にびいろ)の音鉄のような詞
数々の望みを因数分解し全て叶える裏技を編む
ゆるゆると沈み込んだり流れたり世界の自由度を上げる試み
去るものと受けとるものを見分けつつ ”ゆる~くぅ むすんで 楽にぃ ひらいて”
- quoted from ”むすんでひらいて手を打とう” moonriders ; lyrics : Ryomei Shirai
握ったら指の間をすり抜ける ひらけばそっとてのひらに乗る
手を取って指をからめてまた放す 笑みを交わしてまた手をつなぐ
見えずともつばさひろげて風を待つ忘れた頃に揚力は来る
未来とは未知なる蛹(さなぎ)十分に時満ちたならおのずと羽化す
幾重もの衣(きぬ)を剥いでは少しずつ眠りし吾(われ)が目覚めはじめる
日々に倦み眠るわれらの傍らで日々新たなる夜明けの来たる
現実にあなた自身と出会いたいおそれや欲の幻影でなく
探してた景色は実は此処にある到るにはただ目を開けるだけ
甘やかな優しき闇の撫でるごと皮膚で聞き取る君の囁き
ひそやかに母なる闇に孕まれて月満ちて今こうもりの飛ぶ
暗ければ暗き闇ほど安らげり無なりし頃はことばは要らず
上手くいくいかないとかにいらついて裸足の指で石を転がす
だいたいは右も左も好きじゃない真ん中へんにおおむね一票
「どっちでも、なんでもどうでもいいじゃない?いずれどうにか、なんとかなるでしょ。」
眠るまで素数の羊数えおりどこまでいっても割り切れずいる
いくつかの公約数で妥協する人に懲りずに抵抗してる
肉体のすみずみまでも満たす水 吐いた言葉に合わせてゆれる
うつぶせで寝ている君の浮き出した背骨の数を数えて月夜
体にはどう生きたかが刻まれて耳を澄ませば囁きはじめる