短歌 our (infectious) anxiety

怖れとは slow virus infection 不安は influenza に似てる

可能なら感染症科依頼する不安の院内感染経路

開けたなら噴き出し続ける無意識に溜めてた恐れ油田のように

短歌 some part of my mother 

何にせよ縁があるのは良いこととさらりと言う my great mother

大人にも母にもならずにいるならば一生あなたにかなわないはず

一個だけ言い訳させてこんなにも自由恋うのはあなたの遺伝子

いつまでもばかな娘をいつまでも許して放ってくれてありがと


短歌 せめて死ぬ前に

3人に続けて言われ「思うより死は早く来る迷ったらやれ」

「がまんせずやりたいことをやればいいだってだれもが死んじゃうんだよ」

死ぬ前にやりたいことを数えたら100越えたので一休みする

死ぬときは一番好きなあのひとと右手をつないでいれたら幸せ

短歌 Parallel lines meet at infinity.

人により時空は少しずれている接点でまたずれて交わる

「平行線は無限で交わる」望むなら無限は案外手前かもしれない

彼方まで見上げて意識の距離を詰め1,2,3で虹を射落とす

短歌 沈黙

今はまだ如何(いか)に在りてもひとりなる 夜の底にて休息のとき

足掻(あが)いても足掻いたほどに沈みをり ただ諦めて浮かびゆくなり

長かりし沈黙のあと息継ぎす この間にことばが紡がれている

短歌 夜のお菓子

分けがたし皮膚に残りし温もりは もと君のものいま吾(われ)のもの

みづからを深く沈めて吾(あ)の中に 君は何かを捜してをりぬ

抱きあひて在るひとときに巡りしは 君といふ昼吾(われ)といふ夜

至高の愛の歌

至高の愛の歌だと思う歌。Marc Almond ” My Hand Over My Heart “

昔、「月光」という今でいうBL腐女子系の走りの雑誌があった。行ってた学校の近くにそこの編集にかかわっていた南原企画(だったと思う)というのがあって、友人がそこにちょくちょく遊びにいっていて、なぜかそこに寄らせてもらったことがあった。いかにも出版系のおじさんとお兄さんがいた。そこでマーク・アーモンドのTシャツをもらったことがある。大事に着ていて捨てたおぼえもないのに、なぜかなくなった。

91年の”Tenement Symphony”はなかなか名盤。中でもこの曲は名曲。
Youtubeにマークの映像があって、なつかしくなってまた聞き入った。

My hand over my heart

A heart that’s filled with love

A love that can lift the soul

Divine worship forever Amen

とくに以下が素晴らしい。

There are times spent in despair

That you won’t believe me

So many times I’ve tried to tell you

But my courage deceives me

You have my whole world under your heel

No words on this earth

Can convey the way I feel

Heaven is here

Where I once feared to be

And I fall to my knees

At your beauty

All Lyrics

マークはQueer(おネエman?)として扱われながらも、自分の中の耽美なファンタジーにこだわりつづけた美しい人。無理にあげるなら美輪明宏?日本よりイギリスのほうが寛大ではあろうが、かなりキワモノとしての扱いや誤解などご苦労なさったことと想像する。Mr Beanのローワン・アトキンソンにもものまねされてるし。
2004年にはバイク事故で重体となったのに、1年後にはステージに復帰した。この人はそれほどまでに、ただ歌いたいのだと思う。

魂を引き上げる愛、跪く美。これほどまでに愛してみたいし、愛されてみたい。
でも、あなたの美はひざまづくほど美しい、とたたえるこの歌は、ほんとうは自分自身に向けられるべき歌だと思う。自分をこれほど愛せたなら、すべての他者が愛おしく思えるだろう。

私が個人的に感動したのはこの2007年のライブ映像。
マーク49歳。ちょっと老けたけど、相変わらず驚くほど美しい声です。ほんと、歌い続けてほしい。

短歌 みもだえ

平らかにありたしかくも身もだえす身の上なるかうつむきて寝る

うねくねりあげく途切れぬ鉢植えの万年竹はわれの煩悶

咲かぬまま花瓶の中で朽ち果てつ蕾(つぼみ)いかにか口惜しからむ