いつからか怖れの単位シーベルトベクレル元は誰かの名前
実体のみえない不安が実体に向けられ今日の水の冷たき
アトムへのあこがれどこかに残ってるそんな時代は去ったと知りつつ
いつからか怖れの単位シーベルトベクレル元は誰かの名前
実体のみえない不安が実体に向けられ今日の水の冷たき
アトムへのあこがれどこかに残ってるそんな時代は去ったと知りつつ
ことのはの束を片手にほんとうに言うべきことを見失ってる
退屈を右手に怒りを左手に歩んだ道を振り返りみる
自分というものに飽きたら次はどう動けばいいかとクレープ食べる
何もかもなかったような眠たさで記憶途切れてけさ春霞
「解く」ものか「かける」ものかと聞かれれば「解く」がおそらく正しい魔法
着々と何かが準備されていく布石を1つ
いま打つたびに
真実はいつも予感のように来て闇に囁く声なき声で
群盲が象を撫でたる断片を寄せ集めても象にはあらず
ふらふらと千鳥足にてはみ出して古い歴史につられずにいる
新月の昏き光が掻き乱すこころしずめてわれ一人立つ
節分の朝唐突に切り替わりいまここに在る新旧を超え
昨日まで冬明日からは春となる今日は境の時間を生きる
昼下がり砂漠のように乾ききりひたすら歩く何も望まず
容赦なく澄みきる青き真昼にて叶わぬ望み見透かされおり
望みとは叶えるためにあらずなり心を燃やす薪としてあり
街中に冬の光が映写するパンタグラフの影と伴走
はつはるの3日手前の車内にて乾いた空気を風が切る音
脱がされるように冬から春になりこぼれる光に目を閉じている
さかしまに夜を眺めて紡ぎ出す鈍色(にびいろ)の音鉄のような詞
数々の望みを因数分解し全て叶える裏技を編む
ゆるゆると沈み込んだり流れたり世界の自由度を上げる試み
去るものと受けとるものを見分けつつ ”ゆる~くぅ むすんで 楽にぃ ひらいて”
- quoted from ”むすんでひらいて手を打とう” moonriders ; lyrics : Ryomei Shirai
握ったら指の間をすり抜ける ひらけばそっとてのひらに乗る
手を取って指をからめてまた放す 笑みを交わしてまた手をつなぐ
見えずともつばさひろげて風を待つ忘れた頃に揚力は来る
未来とは未知なる蛹(さなぎ)十分に時満ちたならおのずと羽化す
幾重もの衣(きぬ)を剥いでは少しずつ眠りし吾(われ)が目覚めはじめる